コンバージョンが60%もup?
2010.11.22
今日は久しぶりに実践的なEコマースに関する耳寄り情報をご紹介します。
Conversion, コンバージョン!Eコマースのみならず、サイトを訪れるお客様に何かしらのアクションを期待するWEBサイトを運営している人にとって、切っても切れない重要指標のひとつにコンバージョン(conversion)があります。
私自身は商品を販売するサイトを運営する機会が多かったので、注文件数÷訪問者数のいわゆる「購買率」をコンバージョンと呼び、この指標ひとつを長い年月をかけて0.1%ずつ上げてゆくのが私の仕事の大部分を占めていました。例えば、家電商品など価格比較が容易な商品であれば、価格によってコンバージョンは大きく上下しますし、またいくら安くても納期が2〜3週間先だったり、在庫切れだったりすればそもそも注文されないのでコンバージョンは殆ど発生しませせん。「売上=集客×コンバージョン×客単価(注文あたりの購入金額)」という公式において、集客や客単価をコントロールすることが難しい業種であればなおさら、このコンバージョンの向上こそが自助努力で売上を拡大するための命綱になるわけです。
目からウロコの調査結果
コンバージョンを0.1%向上させることに全精力を注いできた私にとって、つい先日ショッキングな
調査結果を紹介した米国サイトに遭遇しました。サイト曰く、「登録フォームをなくすだけでコンバージョンが60%向上」という実績があがったらしいのですが、私がショックだったのは「自分が1年間かけて1%改善させていた指標を簡単なサイト更新で60%改善した」という事実よりも、「信じていたBest Practiceが完全に否定されていた」からです。
あらゆるWEBサイト制作のルールとして、「ユーザーのクリック数は少ないほうがいい。クリックが増えるほどサイトからの離脱が増える」のが常識とされていました。しかしながら、この事例では登録フォームをボタンに変更しユーザーに余計なクリックを促しているのに関わらずコンバージョンを大幅に改善したのです。
Best practices are NOT always true! It's still hard to believe, but the numbers don't lie. (ベストプラクティスは必ずしも最善の策とは限らない。信じがたいことだが、数字は嘘をつかない。)
先ず世に出し、それから振り返る
漠然とした感覚ではありますが、今年(2010年)あたりから今まで疑いの余地がなかったWEB業界のベストプラクティスが必ずしも当てはまらないケースが増えてきています。例えば、「コンテンツはテキスト中心がいい、何故ならGoogleやYahoo!が検索結果として取り上げてくれるから...」といった常識も、最近では動画や画像といったリッチコンテンツのほうがお客さんを集めるパワーが大きいと思えるケースも増えています。どうやら90年代後半から10年間ほど安定していたWEB業界のルールが、急激に変革しているようです。
- 「PC・ケータイ」からタブレット・スマートフォンへ...
- 「検索」から友人からのおすすめへ...
- 「品揃え」からキューレーションへ...
このようにデバイスから行動パターンまで様々な環境が変わろうとしている今日では、「こうすれば間違いない」というベストプラクティスへの過度の信頼は諸刃の剣にも成り得るのです。こんな時代だからこそ「当たり前と思わずにA/Bテストを実施すること」が益々重要になっており、また「こんなサービスどうせ流行らないかGoogleやAmazonに真似される」と思わずに、先ず世の中に出してそれから振り返る。そんな大胆さとスピード感が重要になってきていると日々感じます。
User Experience(顧客体験)重視の時代先日の投稿でも取り上げたとおり、サービスや技術が革新的でなくともUser Experience(顧客体験)しだいでiphoneのような爆発的なヒット商品は生まれています。
<顧客体験の定義>
「ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザが真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念である。」
例えば、巷で流行りつつある
Instagramというサービス。
一言でいえば、「スマートフォン等でとった写真を友達と共有するサービス」で、
一見どこにでもありそうなマッシュアップ系のサービスです。
例えば、とった写真を加工する機能も多くのアプリで配布されてますし、
写真共有であれば、多くのtwitterクライアントにも機能は実装されてます。
では、なぜ多くのユーザーの心をつかんでいるのか?
それは、全ての機能を「説明書のいらないシンプルな操作」で提供しているからに他ならないと私は思います。

例えば、写真にコメントを投稿する左の画面。
私にとって慣れ親しんだiphoneの入力パッド以外の新しい箇所は、
上部のテキストボックスと、☓と✔のボタンだけです。
このようなユニバーサルデザインであれば、別にアプリの日本語対応を待たずに、私のようなユーザーが勝手に使い始めるのです。
しかも、私はiphoneですら滅多に写真をとらないカメラ音痴の人間です。そんな私が、気になった場面を自然と撮影してコメントしてしまう。顧客体験しだいで生活習慣も変えてしまう。そんなパワーを今日のWEBサービスは秘めているからこそ、我々も先ずサービスを世に出し、それから振り返るのです。
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